トリミングサロンの作業台。たたんだタオルとステンレスの器具が並んでいる

For Grooming Salon

シャンプーの前に、水を替える。

トリミングサロンで水を使う場面は、洗う・溶く・拭くの3つに分かれます。 還元ミネラルイオン水 ST-A は、その3つを1本でまかなうことを想定した業務用の水です。 原液でお届けし、用途にあわせて現場で薄めてお使いいただきます。

サロンの水まわりで、時間が溶けているところ

すすぎが終わらない

泡切れが悪くて二度洗いになる。乾かす前に水気が残っている。 1頭ごとの小さな差が、1日の頭数ぶん積み上がります。

粉がダマになる

ハーブパックの粉が均一に溶けきらない。残ったダマは塗りムラになり、 流すときにも手間が戻ってきます。

道具に何を使っていいか分からない

バリカンの刃、シザー、ステンレスの台。洗浄力の強い液ほど、 汚れよりも道具のほうが気になります。

① 洗う — シャンプーが入る前に、水で一度

ST-A はアルカリ性の水です。アルカリ性のもとで、汚れと被毛の表面がどちらも負に帯電し、 電気的に反発して離れます。汚れを溶かすのではなく、界面から剥がす落とし方です。 水が被毛の根元まで入っていくのを助けているのは、表面張力の低さです。 一般的な水より低い表面張力

  1. 密着している 汚れ 素材 ST-A

    1 密着している

    汚れは素材に密着しています。ふつうの水は表面張力が高く、このすき間には入っていけません。

  2. すき間に入り込む 表面張力が低い =すき間に入れる

    2 すき間に入り込む

    ST-A は表面張力が低いため、汚れと素材のあいだへ入り込みます。ここが剥離の起点です。

  3. 両面が負に帯電する 汚れ側 素材側

    3 両面が負に帯電する

    入り込んだ液が汚れの裏面と素材の表面の両方に触れ、どちらも負に帯電します。

  4. 反発して、剥がれる

    4 反発して、剥がれる

    負と負が反発し合い、汚れが素材から離れます。溶かして落とすのとは別の経路です。

起点は「すき間に入り込めること」です。入り込んで両方の面に触れるから、両面が同じ符号に帯電し、 反発が働きます。溶かして落とす経路とは、ここが違います。落ち方は汚れの種類・素材・洗浄条件で 変わるため、実際の仕上がりはサンプル検証で確かめる前提でご案内しています。

使い方は単純で、全身をぬらす段階で薄めた ST-A を通し、そのあとは普段どおりの シャンプーに移ります。手順を1つ足すのではなく、最初にかける水を替えるだけです。

キューティクルの隙間まで届く、という理屈

被毛の表面は、瓦のように重なったキューティクル(毛小皮)で覆われています。 細かい汚れは、その重なりの隙間に挟まって残りやすいところです。ここが埋まった ままだと、あとにかけるシャンプーやトリートメントの成分が、被毛の表面に 均一に行き渡りにくくなります。

ST-A の低い表面張力と静電的な反発は、このキューティクルの隙間でも同じように 働きます。先に隙間の汚れを外しておけば、シャンプーとトリートメントが被毛の 表面によりまんべんなく行き渡る——ここまでが、水の物性から言える理屈です。

キューティクルの重なりの隙間に、細かい汚れが挟まっている 汚れが挟まったまま
キューティクルの重なりの隙間に、細かい汚れが挟まっています。
ST-A の表面張力と静電的な反発が、隙間の汚れだけを引き離す ST-A が汚れだけを引き離す
隙間の構造はそのままに、汚れだけが引き離されます。

キューティクルを閉じてつやを作るのは、このあとのシャンプーとトリートメント、 すすぎと乾かし方です。ST-A 自体にキューティクルを閉じる働きがあるわけではなく、 アルカリ性の液はどちらかといえば逆——一時的にキューティクルを開かせる側に 働きます(これはシャンプーそのものにも言えることです)。ST-A の役どころは、 その手前で隙間の汚れを外しておくところまでです。この理屈が実際にどれくらい つやの違いとして現れるかは測定しておらず、下の「自宅の犬で、比べてみました」の 写真も、この点を確かめたものではありません。

自宅の犬で、比べてみました

手で持ち上げられたキャバリアの左耳の飾り毛。毛先が波打っている
シャンプーだけで洗ったときの、左耳の飾り毛。
同じキャバリアの同じ左耳の飾り毛。毛がまっすぐ下りている
先に ST-A を通したときの、同じ左耳。

運営元が自宅の犬で試したときの写真です。細かい汚れが先に外れるぶん、 シャンプーが被毛に入っていきやすい。汚れが落ちれば水も残りにくくなるようで、 ドライヤーの通りが変わったように見えました。

ただしこれは、1頭ぶんの、家庭での観察です。試験ではありません。使ったのは サロンにお届けするのと同じ原液ですが、そのとき何倍に薄めたかも、ドライヤーの 設定も、乾かしていた時間も記録していません。ですから、どのくらい早く乾くという 言い方はしませんし、この写真をサロンでの仕上がりのお約束としては出しません。 ここに写っているのは、そのときの被毛の様子だけです。

② 溶く — ハーブパックの粉を

粉が水にうまく散らないのは、粒どうしがくっついたまま塊で沈むからです。ST-A は 粒子の表面を同じ符号に帯電させて、粒どうしを静電的に離しておきます。 そこへ低い表面張力が加わって、塊の隙間まで水が入っていく。 工業の現場で分散剤として使われてきたのは、この2つの働きによるものです。

2つの計量カップに緑色のハーブパックが溶かれている。左は粒が残ってまだらに見え、右は表面が均一
同じハーブパックの粉を、2つの容器で溶いたところ。左が ST-A なし、 右が ST-A を加えたもの。1枚の写真に並べて撮っているので、 照明も角度も同じ条件です。

散り方は、粉の銘柄・粒の細かさ・水温・混ぜ方で変わります。手元の粉でどうなるかは、 サンプルで確かめていただくのがいちばん早いところです。

③ 拭く — ケージ・施術台・器具まわり

施術台、ケージの柵、シャンプー台のふち、排水口まわり、使ったあとのタオル。 動物の口や鼻が届く距離にあるものばかりなので、拭いたあとに何が残るかは そのまま気になります。ST-A に入っているのは水と、わずかなミネラル塩だけです。 界面活性剤も防腐剤も入っていません。

なぜ、そうできるのか

なぜ、界面活性剤を配合していないのか

界面活性剤は、汚れや油分を分子で包み込んで液の中に保持する
界面活性剤 — 分子が包み込み、液の中に抱えたままにする
ST-A では、表面が同じ符号に帯電して粒どうしが反発する
ST-A — 表面が同じ符号に帯電し、粒どうしが反発する

シャンプーは界面活性剤で洗います。ぬらす、油分を乳化する、落ちた汚れが戻るのを抑える——複数の役をまとめて引き受ける、よくできたものです。ST-A はその置き換えではありません。入っているのは水とわずかなミネラル塩だけで、アルカリ性のもとで汚れと被毛の表面がどちらも負に帯電し、電気的に反発する経路を使います。シャンプーが入る前に、細かい汚れを水の側で先に外しておく——役どころはそこです。

ただし、アルカリは油分に対してその場でけん化を起こし、脂肪酸塩を生じることがあります。「界面活性作用がない」わけではありません。外れる汚れの量も、被毛の状態と量・水温・当てている時間で変わります。

一般的なアルカリ電解水との違い

アルカリ電解水の成り立ち。陰極で水が還元され、陽イオンが移動して水酸化物の水溶液になる + 陽極 − 陰極 2H₂O + 2e⁻ → H₂↑ + 2OH⁻
陰極側に OH⁻ が生まれ、そこへ陽イオン(Na⁺ / K⁺)が移動します。だから取り出した液は、 結果として水酸化物の水溶液になります。

アルカリ電解水は、電解質を溶かした水を電気分解して陰極側に取り出す液です。陰極では 2H₂O + 2e⁻ → H₂↑ + 2OH⁻ が起こり、そこへ陽イオン(Na⁺ や K⁺)が移動してくるため、結果として水酸化物の水溶液になります。これがアルカリ電解水の成り立ちです。

溶解型は、汚れを化学的に分解して落とす 溶解型
汚れそのものを化学的に分解します。作用は素材の側にも及びえます。
剥離型は、界面から剥がして落とす。汚れは分解されない 剥離型(ST-A)
汚れを分解しません。界面に入り込み、反発で剥がします。

汚れを化学的に分解して落とすのが溶解型、界面から剥がして落とすのが剥離型です。溶解型はタンパク質にも作用しうるため、アルカリ電解水の製品では手指への使用に注意が置かれているのが一般的です。被毛もタンパク質でできていますし、施術する側の手も一日じゅう水のなかにあります。ST-A は剥離型で、汚れそのものを分解しません。

アルミ箔で見ると、違いが目で分かる

アルカリ電解水を塗布したアルミ箔。細かい泡が塗布面いっぱいに立っている
アルカリ電解水を塗布したアルミ箔。塗った範囲いっぱいに、水素の泡が立っています。
ST-A を塗布したアルミ箔。泡はごく一部にとどまり、液滴が残っている
ST-A を同じように塗布したアルミ箔。泡はごく一部にとどまっています。

アルカリ性の液とアルミのあいだには 2Al + 2NaOH + 6H₂O → 2Na[Al(OH)₄] + 3H₂↑ の反応があります。水素が出るので、アルミ箔に塗れば発泡として 目で分かります。アルカリ電解水の製品でアルミへの使用に注意が置かれるのは、これが理由です。 上の2枚は、それぞれの液をアルミ箔に塗ったときの様子です。

手を入れる側について、試験で確認できているのは次の点です。 皮膚一次刺激性試験で刺激性が認められない ※ヒトの肌を対象にした試験です。動物での試験ではありません。試験法・条件・結果は成績書に記載しています。

pH12(25℃・測定済み)

サロンで金属は、消耗品ではなく道具です。刃を1本だめにすると、その日の予約が動きます。 ST-A について手元にあるのは上のアルミ箔での自社確認までで、刃物の鋼材や表面処理まで 確かめたわけではありません。導入のときは、実際にお使いの道具で先に見ていただくよう お願いしています。

これは、薬ではありません

ST-A は水です。動物の体の不調に用いるものではありませんし、獣医療の代わりにも なりません。気になる様子があるときは、獣医師にご相談ください。 このページに書いているのは、洗う・溶く・拭くという作業のなかでの水の働きと、 わたしたちの手元にある記録だけです。

物性・データ

液性 pH12(25℃・測定済み)
表面張力 一般的な水より低い表面張力
組成 ほぼすべてが水と、わずかなミネラル塩
界面活性剤 不使用
防腐剤 不使用
腐食性 素材適合性は材質・条件ごとに要確認(pH だけでは決まらない)

数値データは承認済みのものから順次掲載しています。詳細な試験成績書はサンプル請求時にご案内できます。

物性・試験・成り立ちの一次情報は、1か所にまとめています。

データで見る ST-A

試していただくまで

  1. サンプルを請求する — 原液でお送りします。用途ごとの希釈の目安を添えます。
  2. 1頭で試す — いつものシャンプーはそのままで、最初にかける水だけ替えてみてください。
  3. 続ける形を決める — 定期のお届けと、サロンオリジナルの商品づくりのご相談を受けています。

ご家庭向けの HELP for Pet とは、案内している用途が違います

中身は同じ水です。それでも、商品としてご案内している用途は分けています。 ご家庭向けの HELP for Pet は、暮らしまわりの拭き掃除用として 小売しているもので、体のお手入れ用としてはご案内していません。使う場所も濃さも お一人おひとりの判断になるためです。

こちらは、被毛と道具の扱いを仕事にしている方に向けた業務用のご案内です。 原液をお届けし、用途ごとに薄めて使っていただく前提なので、洗う場面も範囲に入ります。 サンプルで手元の犬・手元の道具に当ててから決めていただく、という進め方も含めての 「業務用」です。

よくある質問

今使っているシャンプーは、そのままで大丈夫ですか
そのままで構いません。ST-A はシャンプーの置き換えではなく、その手前とすすぎで使う水です。洗う前に一度通しておく使い方から試してください。
希釈はどのくらいですか
用途で変わります。洗う前に通す水、ハーブパックを溶く水、器具まわりを拭き上げる水で、それぞれ濃さが違います。目安はサンプルに添えてご案内しますが、水の硬度や被毛の状態でも変わるため、薄いほうから試していただくようお願いしています。
バリカンの刃やシザーにかかっても大丈夫ですか
素材適合性は pH の値だけでは決まりません。手元にあるのはアルミ箔を使った自社での確認までで、刃物の鋼材や表面処理での確認はできていません。お使いの道具でのご確認をお願いしています。
うちの名前でシャンプーを作れますか
ご相談を受けています。どんな形にできるかは中身と数量で変わるため、まずはお問い合わせのフォームからお声がけください。
業務用のサンプルや資料はもらえますか?
各用途ページの下部にあるフォームから、サンプル・資料をご請求いただけます。用途と課題をお書き添えいただくと、ご案内が具体的になります。
原液のまま使いますか?薄めて使いますか?
用途によって異なります。原液で使う場面と、希釈して使う場面の両方があります。各用途ページの使い方の項をご覧ください。

その他の質問はこちら(共通FAQ)→


サンプル・資料のご請求

原液のサンプルと、用途ごとの希釈の目安をお送りします。サロンオリジナルの 商品づくりについても、同じフォームからご相談ください。

ご希望必須

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