実験台のビーカーの中で、淡い顔料が水にゆっくり広がっていく様子

Dispersant

粒子を包まず、帯電で反発させる分散

塗料・インク・顔料・樹脂の処方開発では、分散安定性を上げるために加えた分散剤が、 塗膜物性や密着性の設計を難しくします。還元ミネラルイオン水 ST-A は、 界面活性剤を加えずに、水そのものの物性で粒子の再凝集を抑える業務用の分散媒です。

処方開発で起きがちな3つの課題

貯蔵中の再凝集

分散直後は粒径分布が揃っていても、貯蔵・輸送の間に凝集が進み、 色ムラ・塗膜欠陥・粘度変化として現れます。分散の評価は「直後」ではなく 「経時」が本番です。

分散剤が後工程に残る

界面活性剤系の分散剤は、焼付け・硬化・印刷の段階まで系に残り、 密着不良や発泡の要因になります。分散のために足した成分が、 塗膜物性の設計変数を増やします。

添加量のトレードオフ

増やせば分散は安定し、後工程への影響も増える。減らせば影響は減り、 再凝集が近づく。分散剤の添加量が、処方の自由度を縛ります。

ガラス瓶の中で、微細な粒子が透明な液に均一に散っている
分散の状態は、粒径・濃度・温度の組み合わせで変わります。

ST-A で何が変わるか

ST-A はアルカリ性の水です。分散機構を、測定できる物性に分けて説明します。

包むのではなく、帯電させて離す

粒子表面が同じ符号に帯電し、粒子どうしが静電的に反発します。 界面活性剤が粒子を包み込んで凝集を防ぐのに対し、ST-A は粒子自体を帯電させて離す—— 分散のために系へ加える有機成分がない、というアプローチの違いです。

低い表面張力が濡れを助ける

一般的な水より低い表面張力が、粒子表面への濡れと、凝集体の隙間への浸透を助けます。 一般的な水より低い表面張力 界面活性剤が担ってきた「ぬれ」の役割の一部を、液そのものの物性が受け持ちます。

帯電状態を保つ液環境

アルカリ性の液環境は、粒子表面の帯電状態(ゼータ電位)を保ちやすい条件です。 pH12(25℃・測定済み) 素材適合性は pH だけでは決まらないため、 金属系の粒子や設備と組み合わせる処方でも検討の対象になります。

油分を含む系について

油水系の安定化には、調製時のエネルギーと界面の安定化が必要です。ミネラルイオンだけで 任意の油を安定に乳化できるわけではありません。特定の油・配合比・調製条件で確認できた 範囲に限って、油滴径と保存期間をあわせてご提示します。

後工程に持ち込まない

組成はほぼすべてが水と、わずかなミネラル塩です。界面活性剤・防腐剤を含まないため、 焼付け・硬化の工程で管理すべき分散剤由来の残留が、組成の段階からありません。

ここに書いているのは液の物性です。分散系全体の安定性は粒子の種類・濃度・ 他の配合成分に依存するため、実処方でのサンプル評価を前提にご案内しています。

原点は、CD修復の研磨工程

ST-A が最初に果たした役割は分散剤でした。サウンド・テックは CD 修復事業のなかで、 傷を研磨する研磨剤を均一に分散させ、かつ光学面と金属反射膜を傷めない水を 探していました。その要件を満たしたのが、この還元ミネラルイオン水です。 以来、研磨剤スラリーの分散媒として使われ続けています。

なぜ、そうできるのか

なぜ、界面活性剤を配合していないのか

界面活性剤は、汚れや油分を分子で包み込んで液の中に保持する
界面活性剤 — 分子が包み込み、液の中に抱えたままにする
ST-A では、表面が同じ符号に帯電して粒どうしが反発する
ST-A — 表面が同じ符号に帯電し、粒どうしが反発する

分散剤の安定化機構は1つではありません。粒子を同符号に帯電させる静電安定化、吸着層の厚みで近づけない立体安定化、その両方を組み合わせた電気立体安定化があります。界面活性剤や高分子分散剤は主に後の2つを使い、加えた成分は最後まで系に残ります。ST-A が使うのは静電的な経路です。

ただし分散安定性は、粒子種・濃度・pH・イオン強度・調製方法で変わります。ST-A の寄与は、ゼータ電位・粒径分布・沈降・経時安定性を対照処方と比べて示すべきもので、現在測定中です。

物性

液性 pH12(25℃・測定済み)
表面張力 一般的な水より低い表面張力
組成 ほぼすべてが水と、わずかなミネラル塩
界面活性剤 不使用
腐食性 素材適合性は材質・条件ごとに要確認(pH だけでは決まらない)

数値データは承認済みのものから順次掲載しています。詳細な試験成績書はサンプル請求時にご案内できます。

安全性試験・保存・成り立ちを含む一次情報は、データで見る ST-A に1か所でまとめています。

評価の流れ

  1. ヒアリング — 対象粒子・現行処方・課題(再凝集・後工程への影響・添加量)を伺います。
  2. サンプル提供 — 評価用の ST-A をお送りします。試験成績書もあわせてご案内できます。
  3. 実処方での評価 — 全量置き換えではなく、現行分散剤の削減・部分代替から始める評価にも 対応します。pH 適合性・他成分との相互作用・経時での分散安定性を確認します。
  4. 本採用のご判断 — 評価結果をもとにご判断ください。継続供給の条件はこの段階でご相談に応じます。

よくある質問

pH の高い分散媒を処方に入れて大丈夫ですか
ST-A はアルカリ性ですが、液性は弱塩基にとどまります。pH 感受性の高い成分を含む処方では、配合比率と最終 pH の確認を先に行うことをおすすめします。適合確認の進め方はサンプルとあわせてご案内します。
界面活性剤をゼロにするのは難しい処方です
全量の置き換えを前提にはしていません。現行の分散剤を減らし、その分を ST-A で補う部分代替から評価を始める進め方もあります。現行処方との組み合わせはサンプル評価を通じてご一緒に確認します。
分散安定性はどのくらい持続しますか
分散系全体の安定性は、粒子の種類・濃度・他の配合成分に依存します。ST-A 単独で持続期間をお約束することはできないため、実処方での経時評価をお願いしています。
金属系の顔料・粒子にも使えますか
pH の値だけでは適合性は決まりません。粒子種・表面処理・分散条件によって挙動が変わるため、金属系の粒子については事前の確認が必要です。対象の粒子をお知らせいただければ、評価方法からご提案します。
業務用のサンプルや資料はもらえますか?
各用途ページの下部にあるフォームから、サンプル・資料をご請求いただけます。用途と課題をお書き添えいただくと、ご案内が具体的になります。
原液のまま使いますか?薄めて使いますか?
用途によって異なります。原液で使う場面と、希釈して使う場面の両方があります。各用途ページの使い方の項をご覧ください。

その他の質問はこちら(共通FAQ)→

サンプル・資料のご請求

対象の粒子と現行処方の概要をお知らせいただけると、評価方法のご提案までが早くなります。

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