処方開発の実験台に並ぶ、無地のガラス器具とピペット

Cosmetic Ingredient

フリー処方の設計を、ベースの水から。

界面活性剤や防腐剤に頼らない処方をつくるとき、最後に残るのは 「ベースの水に何をさせるか」という設計の課題です。還元ミネラルイオン水 ST-A は、 原料としての物性で処方設計を支える水です。ここでは原料の物性と検証の進め方だけを書きます。

処方開発の現場にある、水まわりの課題

成分表示を短くしたい

配合成分を減らす方針は決まっても、減らした機能をどこで受けるかは処方側の宿題として残ります。 候補になる原料は、役割が明確であるほど検討しやすくなります。

防腐設計の選択肢が少ない

防腐剤を減らす処方では、保存の設計そのものを見直すことになります。 ベースの水が保存にどう関わるかは、最初に確かめたい物性です。

資料が揃わない原料は選べない

調達側の判断材料は、規格書・試験成績・供給の継続性です。 物性が良くても、裏づけの資料が出てこない原料は候補から外れていきます。

ピペットから、浅いガラス皿へ透明な一滴が落ちる
処方の設計は、ベースの水の物性から始まります。

原料として、物性の言葉で語れること

ST-A はアルカリ性の水です。素材や容器材質との適合は pH の値だけでは決まりません。 pH の数値だけで液の強さが決まらないことは、処方の検討でもそのまま前提にしていただけます。

表面張力は一般的な水より低く、原料同士のなじみや分散のしやすさに関わります。 粒子の表面を同じ符号に帯電させて再凝集を抑えるため、 界面活性剤を使わずに分散状態を保つ——これがこの水の物性上の特徴です。

組成はほぼすべてが水と、わずかなミネラル塩です。界面活性剤・防腐剤を配合していません。 原料の表示名称と全構成成分は規格書でご提示します。最終製品の全成分表示は、処方と表示規則に 基づいて製造販売業者さまでご判断ください。

ここに書いているのは原料としての液の物性であり、最終製品の効能を示すものではありません。 処方への適合は、サンプルでの検証をおすすめしています。

クリニック向け完成品としての実績

ST-A は原料としてだけでなく、医療機関向け専売の完成品化粧水としてクリニックにお納めしてきた 実績があります。組成はここでご紹介している原料と同じ、ほぼ水とわずかなミネラル塩だけです。 一般には流通せず、院内で説明を添えてお渡しする販売形態でした。

現在、クリニック向けの新規窓口は設けていません。完成品としての採用実績も、 原料としての検討材料のひとつとしてお役立てください。

なぜ、そうできるのか

なぜ、界面活性剤を配合していないのか

界面活性剤は、汚れや油分を分子で包み込んで液の中に保持する
界面活性剤 — 分子が包み込み、液の中に抱えたままにする
ST-A では、表面が同じ符号に帯電して粒どうしが反発する
ST-A — 表面が同じ符号に帯電し、粒どうしが反発する

界面活性剤は、界面張力を下げる、油分を乳化・可溶化する、再付着を抑えるなど複数の作用を持ち、包む役の成分は処方の最後まで残って処方表に載ります。ST-A が使うのは静電的な経路で、粒子の表面を同じ符号に帯電させて再凝集を抑えます。

ただし油水系の安定化には、調製時のエネルギーと界面の安定化が必要です。ミネラルイオンだけで任意の油を安定に乳化できるわけではありません。特定の油・配合比・調製条件で確認した結果に限って、油滴径と保存期間をあわせてご提示します。

一般的なアルカリ電解水との違い

アルカリ電解水の成り立ち。陰極で水が還元され、陽イオンが移動して水酸化物の水溶液になる + 陽極 − 陰極 + + 2H₂O + 2e⁻ → H₂↑ + 2OH⁻
陰極側に OH⁻ が生まれ、そこへ陽イオン(Na⁺ / K⁺)が移動します。だから取り出した液は、 結果として水酸化物の水溶液になります。

アルカリ電解水は、電解質を溶かした水を電気分解して陰極側に取り出す液です。陰極では 2H₂O + 2e⁻ → H₂↑ + 2OH⁻ が起こり、そこへ陽イオン(Na⁺ や K⁺)が移動してくるため、結果として水酸化物の水溶液になります。これがアルカリ電解水の成り立ちです。

溶解型は、汚れを化学的に分解して落とす 溶解型
汚れそのものを化学的に分解します。作用は素材の側にも及びえます。
剥離型は、界面から剥がして落とす。汚れは分解されない 剥離型(ST-A)
汚れを分解しません。界面に入り込み、反発で剥がします。

汚れを化学的に分解して落とすのが溶解型、界面から剥がして落とすのが剥離型です。溶解型はタンパク質にも作用しうるため、アルカリ電解水の製品では手指への使用に注意が置かれているのが一般的です。ST-A は剥離型で、原料としての位置づけもここから決まります。

剥離型の ST-A は、汚れを界面から剥がすだけで、肌表面のタンパク質の構造を分解しない 肌表面・タンパク質の層
汚れは界面から剥がれて離れますが、下のタンパク質の線はつながったままです。 ST-A は剥離型で、汚れそのものを分解しません。

ST-A について、試験で確認できているのは次の点です。 皮膚一次刺激性試験で刺激性が認められない ※試験法・条件・結果は成績書に記載しています。

pH12(25℃・測定済み)

物性・データ

液性 pH12(25℃・測定済み)
表面張力 一般的な水より低い表面張力
組成 ほぼすべてが水と、わずかなミネラル塩
界面活性剤 不使用
防腐剤 不使用

数値データは承認済みのものから順次掲載しています。詳細な試験成績書はサンプル請求時にご案内できます。

全用途に共通する物性・試験・成り立ちの一次情報は、1か所にまとめています。

データで見る ST-A

検証から採用まで

  1. サンプル請求 — 下のフォームから、検証したい処方の目的と併せてご請求ください。
  2. ラボでの配合検証 — 小さな配合系で、成分との相性・保存の挙動を確かめていただきます。
  3. スペックシート・試験成績の確認 — 規格書と試験成績の写しを個別にご案内します。
  4. 量産条件のご相談 — 容量・ロット・供給の形を、処方の規模に合わせて詰めます。

よくある質問

規格書や試験成績書はもらえますか?
サンプル請求の際に、スペックシートと試験成績の写しを個別にご案内しています。開示の範囲はご相談のうえで決めます。
既存処方のベースの水と置き換えられますか?
処方によります。アルカリ性の液のため、成分によっては挙動が変わります。小さな配合系での検証から始めることをおすすめしています。
小ロットで試せますか?
検証用のサンプルからお出ししています。量産時のロット単位は、容量と供給頻度に合わせてご相談ください。
業務用のサンプルや資料はもらえますか?
各用途ページの下部にあるフォームから、サンプル・資料をご請求いただけます。用途と課題をお書き添えいただくと、ご案内が具体的になります。
原液のまま使いますか?薄めて使いますか?
用途によって異なります。原液で使う場面と、希釈して使う場面の両方があります。各用途ページの使い方の項をご覧ください。

その他の質問はこちら(共通FAQ)→


原料サンプル・スペックシートのご請求

処方の目的と検証したい項目をお書き添えいただくと、ご案内が具体的になります。

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